
季節の変わり目にぎっくり腰
季節の変わり目にぎっくり腰を起こしやすくなるメカニズムについ
1. 気温変化と筋肉・神経への影響
- 筋肉の粘弾性の低下(冷えによる):
- 私たちの筋肉は、ゴムのように弾力性があり、同時に粘り気(
ねばりけ)も持ち合わせています。この性質を「粘弾性」 と呼びます。低温環境下では、筋肉内の細胞間液の粘性が高まり、 筋肉線維そのものも収縮しやすくなります。これにより、 筋肉全体の柔軟性が低下し、 伸び縮みする際に抵抗が大きくなります。 - 例えるなら、冷えたゴムは硬くて伸びにくいですが、
温かいゴムはしなやかに伸びるのと似ています。 筋肉が硬い状態で無理な体勢をとったり、 急な動作をしたりすると、 筋肉線維やその周囲の結合組織に微細な損傷が生じやすくなります 。
- 私たちの筋肉は、ゴムのように弾力性があり、同時に粘り気(
- 血管収縮と酸素・栄養供給の低下:
- 体が冷えると、体温を保つために血管が収縮します。
特に皮膚に近い末梢血管だけでなく、 筋肉内の細い血管も収縮します。これにより、 筋肉への血流が減少します。 - 血流が減少すると、
筋肉が必要とする酸素やブドウ糖などの栄養素の供給が滞ります。 同時に、 筋肉の活動によって生じる乳酸などの老廃物も排出されにくくなり ます。 - 結果として、筋肉は酸欠状態になり、
疲労物質が蓄積しやすくなります。この状態が続くと、 筋肉は硬く、痛みを感じやすい状態になります。
- 体が冷えると、体温を保つために血管が収縮します。
- 神経伝達速度の変化:
- 神経の伝達速度は、温度によって変化します。
低温下では神経の興奮伝達速度が遅くなることが知られています。 これにより、 脳からの指令が筋肉に伝わるまでの時間がわずかに遅れたり、 筋肉からの情報が脳に伝わる効率が落ちたりする可能性があります 。 - また、冷えによって痛覚神経の閾値(
痛みを感じる最低限の刺激量)が低下し、 普段なら痛みと感じないような軽い刺激でも痛みとして感じやすく なることもあります。
- 神経の伝達速度は、温度によって変化します。
2. 気圧変化と身体のバランス
- 体液バランスへの影響(リンパ・細胞間液):
- 低気圧が接近すると、外からの大気圧が低下します。
私たちの体は常に外部の圧力とバランスをとっていますが、 このバランスが崩れることで、体内の水分、 特にリンパ液や細胞間液が膨張しやすくなると言われています。 - 体液が膨張すると、神経や血管を圧迫したり、
関節包内の圧力を高めたりすることがあります。これにより、 関節の動きが制限されたり、 周囲の神経が刺激されて痛みを感じやすくなったりします。 腰部の関節も例外ではなく、 この影響を受けやすいと考えられます。
- 低気圧が接近すると、外からの大気圧が低下します。
- 自律神経の乱れ(気圧変動感受性):
- 人間の体は、
気圧の変化を感知するセンサーを持っていると考えられています。 このセンサーは、耳の奥にある内耳の三半規管や、 皮膚の圧受容器など、複数あるとされています。 - 気圧が急激に変動すると、これらのセンサーが刺激され、
自律神経(交感神経と副交感神経) のバランスが乱れやすくなります。 - 交感神経優位: ストレスや緊張状態、寒冷刺激などで交感神経が優位になると、
血管が収縮し、筋肉が硬くなり、血行が悪化します。また、 痛みに対する閾値も下がりやすくなります。 - 副交感神経優位: 逆に、リラックス状態や温かい時に副交感神経が優位になります。
季節の変わり目の不安定な気圧変動は、 この自律神経の切り替えをスムーズに行えなくさせ、 結果として体の不調を引き起こしやすくします。
- 交感神経優位: ストレスや緊張状態、寒冷刺激などで交感神経が優位になると、
- 人間の体は、
3. 生活習慣と誘発要因
- 活動量のアンバランス:
- 急な活動開始: 暖かい季節になると屋外での活動が増えたり、
庭仕事やスポーツを再開したりすることがあります。しかし、 冬の間に運動不足だった体で急に激しい動きをすると、 筋肉がその負荷に耐えきれず、損傷しやすくなります。特に、 体をひねる動作や前かがみになる動作は腰への負担が大きいです。 - 慣れない作業: 衣替えで重い荷物を運んだり、
大掃除で普段しない姿勢をとったりすることも、 腰に予想外の負担をかける原因となります。
- 急な活動開始: 暖かい季節になると屋外での活動が増えたり、
- 心理的ストレスと睡眠不足:
- 季節の変わり目は、気象条件だけでなく、新生活の始まり(春)
や連休明け(秋)など、 環境の変化による心理的ストレスも増えることがあります。 ストレスは自律神経のバランスを崩し、 筋肉の緊張を高める原因となります。 - また、睡眠不足も筋肉の回復を妨げ、疲労を蓄積させるため、
ぎっくり腰のリスクを高めます。
- 季節の変わり目は、気象条件だけでなく、新生活の始まり(春)
4. 既存の体質や既往歴との関連
- 元々の猫背や姿勢不良: 普段から腰に負担がかかる姿勢をしている人は、
季節の変わり目のわずかな変化でもぎっくり腰を引き起こしやすく なります。 - 過去の腰痛経験: 一度ぎっくり腰を経験した人は、
腰部の組織が弱くなっている可能性があり、 再発のリスクが高いです。 - 筋力低下や柔軟性不足: 腹筋や背筋といった体幹の筋肉が弱かったり、
股関節やハムストリングス(太ももの裏の筋肉)が硬い人は、 腰への負担が大きくなります。
これらの要因が複雑に絡み合うことで、
前述の解説ブログでも記載しているように、レントゲン検査では骨の状態しかわからないため筋肉や靭帯の損傷などは画像に写らないことがほとんどです。
ぎっくり腰は一度経験すると再発しやすい特徴があるため、
ぎっくり腰などは【故障{痛めてしまう)】と回復に時間も掛かる上に行動も制限され不都合な生活を強いられてしまいます。まずは【そのような状態にしない】事が最善の方法となります。
当店をご利用されるお客様の中でも特に季節の変わり目にぎっくり腰を誘発される方が一定数いらっしゃいます。ですので、一度でもぎっくり腰(またはその兆候)を経験された方には身体の使い方だけでなく季節の変わり目にも注意するよう呼び掛けています。
当店「ほぐしラウンジ ナチュらく」では、施術歴12年の経験から各技法の良いところを組み合わせた独自の手技を研究し習得。さらには各技法をより効果的に発揮できる揉み方も研究・開発。基本の施術だけでなくこれらを総合的に取り入れた施術をする事でエリアトップクラスの高いレベルの施術の提供を行っています。この研究・開発した施術の中には筋膜マッサージ(筋膜リリース)やオイルリンパ(リンパドレナージュ)など、多数の理論・技術を取り入れた施術も含まれています。
「ほぐしラウンジ ナチュらく」では【お身体は消耗品】なので酷い状態にしないよう早め早めのケアを推奨しています。マッサージ(もみほぐし)が健康管理のすべてではないですが、ご自身で不都合な状態にならないように上手に健康管理をしていただき、その中で当店「ほぐしラウンジ ナチュらく」を上手く活用してもらえれば嬉しく思います。
まずは気軽にご利用してみてください。お待ちしております。