
冷やしすぎによる健康被害について
冷やしすぎによる健康被害について、専門的な視点からメカニズムや関連する医学的知識を交えて詳しく解説します。
1. 冷却による生理学的反応:なぜ冷えが身体に影響を与えるのか
首元を冷やすと、私たちの体は熱を奪われることを感知し、
a. 局所的な反応:血管収縮と筋緊張
- 皮膚の温度受容器: 首の皮膚には、「トリップM8 (TRPM8)」
と呼ばれる冷たさを感知する受容体が多く存在します。 これらの受容体が刺激されると、信号が脳の中枢(視床下部) に送られます。 - 交感神経の活性化: 脳からの指令で、首周辺の交感神経が活発になります。
交感神経は、緊急時や活動時に優位になる神経であり、 体温を保つために血管を収縮させる働きがあります。 - 血管収縮と血行不良: 首周辺の動脈(特に頸動脈)や毛細血管が収縮することで、
熱の放散を防ごうとします。しかし、 この状態が続くと血行不良となり、筋肉への酸素供給が減少し、 老廃物が蓄積しやすくなります。これが、 肩こりや首の痛みの直接的な原因となります。 - 筋紡錘(きんぼうすい)の感度上昇: 筋肉の中には、筋肉の伸び縮みを感知する「筋紡錘」
という器官があります。冷やされるとこの筋紡錘の感度が上がり、 些細な刺激でも筋肉が過剰に収縮しやすくなります。これが、 不自然な姿勢や寝違えにつながる一因です。
b. 全身的な反応:自律神経の中枢(視床下部)への影響
- 体温調節中枢: 脳の視床下部には、体温を一定に保つための「体温調節中枢」
があります。首元を冷やしすぎると、この中枢が「 体が冷えている」と誤認し、全身の血管を収縮させたり、 筋肉を震わせたりする指令を出します。 - 自律神経のアンバランス: 視床下部は、体温調節だけでなく、
自律神経全体を司る重要な中枢です。 首元の冷えによる継続的な刺激は、自律神経のバランスを崩し、 交感神経が過剰に優位な状態(交感神経優位)を引き起こします。 - 交感神経優位の状態: 心拍数が上がり、血圧が上昇し、筋肉が緊張し、
発汗が抑制されます。これは本来、危険を回避したり、 活動したりする際に必要な反応です。 - 副交感神経の抑制: 交感神経優位が続くと、
リラックスや休息を司る副交感神経の働きが抑制されます。 これにより、睡眠の質の低下、消化機能の低下、 免疫力の低下などが起こり、 慢性的な疲労感や体調不良につながります。
- 交感神経優位の状態: 心拍数が上がり、血圧が上昇し、筋肉が緊張し、
2. 冷やしすぎによる「隠れ冷え症」と「冷えのぼせ」
冷えすぎによる弊害は、単なる肩こりや頭痛にとどまらず、
- 隠れ冷え症: 外気温が暑くても、体深部や手足の末端が冷えている状態です。
冷房の効いた部屋で、首元や手首、足首などを冷やしすぎると、 全身の血行が悪くなり、特に内臓や手足の血流が低下します。 本人は暑いと思っているため自覚がないことが多く、 これが様々な不調(便秘、腹痛、むくみ、風邪をひきやすいなど) の原因となります。 - 冷えのぼせ: 首元を冷やすことで顔や上半身がのぼせたように熱くなり、
手足の先が冷たい状態です。これは、 首の血管収縮によって上半身に血液が滞り、 熱がこもってしまう一方で、 末端への血流が十分に行き渡らないために起こります。
3. 健康被害を避けるための具体的な使用テクニック
これらの医学的メカニズムを踏まえると、単に「
- 太い血管を「点」で冷やす: 首元全体を冷やし続けるのではなく、
頸動脈や鎖骨の上のくぼみなど、 太い血管が通っている部分をピンポイントで冷やす方が、 全身を効率よく冷やせます。保冷剤や冷却プレートを当てる際は、 これらのポイントを狙い、 他の部分は直接冷やさないように工夫しましょう。 - 温度と時間を「交互」に使う: 首を冷やし続けるのではなく、
温かいタオルと冷たいタオルを交互に当てて血流を促す「温冷浴」 の原理を応用するのも有効です。冷感グッズを30分使用したら、 次の30分は外しておく、といったように、 メリハリをつけて使用しましょう。 - 服装による調整: 冷感グッズを使用する際は、首元だけでなく、
体全体が冷えないように、 薄手の上着などを準備しておくと良いでしょう。 特に電車内やオフィスなど、エアコンが効いた場所では有効です。 - 「首」以外の冷却ポイントも活用する: 首以外にも、手首や脇の下など、
太い血管が皮膚に近い部分を通っている場所を冷やすことでも、 体温を効率的に下げることができます。首に不調を感じる場合は、 これらの部位を冷やす方法に切り替えるのも一つの手です。
「エアコン」や「扇風機」などの冷房機器だけでなく、近年は「ネッククーラー」や「ネックファン」や「ハンディーファン」など、夏の暑さ対策グッズとして便利なものが身近になりました。ですが、こういった便利グッズが自身の健康に思いもよらない致命的な健康被害を引き起こす事がこれまでの解説からもお分かりいただけるかと思います。
夏の便利グッズを使うことで快適な生活には欠かせないアイテムではあるが、こういった側面を併せもつアイテムという事を理解してより詳しい正しい知識を持つことで、冷感グッズを単なる「
当店「ほぐしラウンジ ナチュらく」では、施術歴12年の経験から各技法の良いところを組み合わせた独自の手技を研究し習得。さらには各技法をより効果的に発揮できる揉み方を研究・開発。基本の施術だけでなく、これらを総合的に取り入れた施術をする事でエリアトップクラスの高いレベルの施術の提供を行っています。この研究・開発した施術の中には筋膜マッサージ(筋膜リリース)やオイルリンパ(リンパドレナージュ)など、多数の理論・技術を取り入れた施術も含まれています。
具体的には、筋肉に対して押す・揉む・伸ばすなどマッサージ(もみほぐし)的技術だけでなく、筋膜マッサージ(筋膜リリース)や整体の技術を取り入れたほぐしの施術やリンパを流したり整える施術など大体10種類くらい(?)の多彩な技術をもみほぐしコースとして普通に取り入れた施術をお客様の状態や希望により組み合わせた施術を提供しています。その他にもリフレクソロジーやハンドリフレなど、もみほぐしとは別の専用施術なども取り入れています。
メニューやコースなどの詳細は「施術メニュー」でご確認いただけます。
また、このコラムのように健康や健康管理に関連した話など、状態や状況などから関連した事や施術していく中で気づいた事などに基づいて、より健康的な生活習慣に繋がるような話やオススメな事などもお話させていただいております。お身体のメンテナンスやケアだけでなく、こういった雑学など含め癒しの時間としてご活用いただけると嬉しい限りです。
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